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連立斉一次方程式(斉次連立一次方程式)が非自明な解をもつ条件の大まかなイメージ

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数学 線形代数 核空間 像空間
著者
Admin
目次

動機
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別記事で必要だと思って書いたが必要なくなったので切り出した。

連立斉一次方程式とは
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斉次連立一次方程式、同次連立一次方程式などとも呼ばれるらしい。

連立一次方程式の中で、 $$ a_{11} x_1 + \dots + a_{1n}x_n = 0 \\ a_{21} x_1 + \dots + a_{2n}x_n = 0 \\ \vdots \\ a_{n1} x_1 + \dots + a_{nn}x_n = 0 $$ の形をしたもののことだ。

この連立方程式の係数行列を\(A\)とすると\(A\bm{x}=\bm{0}\)と表せる。

この方程式は明らかに\(\bm{x}=\bm{0}\)という解をもつ。
その解を自明な解という。

\(A\bm{x}=\bm{0}\)が非自明な解(\(\bm{x} \neq \bm{0}\))をもつための必要十分条件は\(|A|=0\)である
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大まかなイメージとしては、\(A\bm{x}=\bm{0}\)の解空間はAが定義する線形写像\(f_A\)の核空間そのものなので、非自明な解をもつかどうかという問いは\(f_A\)の核空間が\(\lbrace \bm{0} \rbrace \)か\(\bm{0}\)以外の要素を含むのかという問いと同じである。

線形写像の次元定理から、\(dim \space \mathrm{Im} f_A < f_Aの定義域のベクトル空間の次元\)のときに非自明な解を持つことがわかる。
なぜなら、像空間が小さくなった分、核空間が大きくなるからだ。
それがどんな時であるかといえば、行列のランクと次元、行列式の関係より、\(|A|=0\)の時である。

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