対角行列 #
🔗https://en.wikipedia.org/wiki/Diagonal_matrix
対角成分以外が全て\(0\)である行列。
ここでは正方行列のみを扱う。
例:
$$
\begin{pmatrix}
1 & 0 & 0 & 0 \\
0 & 7 & 0 & 0 \\
0 & 0 & -893 & 0 \\
0 & 0 & 0 & 1145
\end{pmatrix}
$$
対角行列は行列の積に関して常に可換か? #
常に可換ではない。
調査 #
任意の正方行列\(A\)と対角成分が\(k_1,\space \dots , \space k_n\)である正方対角行列の積を計算して観察する。
\(A\)の\(i\)行\(j\)列の成分は\(a_{ij}\)で表す。
パターン1 $$ \begin{pmatrix} k_1 & & & & O \\ & k_2 & & & \\ & & \ddots & & \\ O & & & & k_n \\ \end{pmatrix}A =\begin{pmatrix} k_1 a_{11} & k_1 a_{12} & \dots & k_1 a_{1n} \\ k_2 a_{21} & k_2 a_{22} & \dots & k_2 a_{2n} \\ & & \vdots & \\ k_n a_{n1} & k_n a_{n2} & \dots & k_n a_{nn} \end{pmatrix} $$
パターン2 $$ A\begin{pmatrix} k_1 & & & & O \\ & k_2 & & & \\ & & \ddots & & \\ O & & & & k_n \\ \end{pmatrix} =\begin{pmatrix} a_{11} k_1 & a_{12} k_2 & \dots & a_{1n} k_n \\ a_{21} k_1 & a_{22} k_2 & \dots & a_{2n} k_n \\ & & \vdots & \\ a_{n1} k_1 & a_{n2} k_2 & \dots & a_{nn} k_n \end{pmatrix} $$
以上の2つの積のパターンの結果内の\(k_{i}\)に着目すると、完全に一致していないので、常に可換ではないことがわかる。
単位行列の定数倍と任意の行列の積は可換 #
先程の計算結果を観察すると、例えば、全ての\(k_i\)が等しいときは可換であることがわかる。
これは任意の正方行列\(X\)と単位行列\(E\)のスカラー倍\(kE\)について、 $$ X(kE) = (kE)X $$ であることを示している。