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逆行列、正則行列、逆行列の一意性

·615 文字·2 分·
数学 線形代数 逆行列 正則行列
著者
Admin
目次

逆行列(inverse matrix)とは
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行列\(A\)に関して、 $$ AX = XA = E $$ を満たす行列\(X\)のこと。
\(E\)は単位行列。 \(A\)の逆行列は\(A^{-1}\)と表される。
つまり、 $$ AA^{-1} = A^{-1} A = E $$ である。

正則行列(regular matrix)
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逆行列が任意の行列に関して常に存在するとは限らない。

逆行列が存在する行列を正則行列という。

可逆行列(invertible matrix)と言われる場合もある。

逆行列の一意性
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いま、正則行列\(A\)に関して2つの逆行列 \(X,\space Y\)が存在すると仮定する。

仮定と逆行列の定義より、 $$ AX = XA = E \\ AY= YA = E $$ である。

ここで、 $$ X = XE \\ = X(AY) \quad \because E = AY \\ = (XA)Y \quad \because 行列の積の結合法則 \\ = (E)Y \quad \because XA = E \\ = Y $$ と\(X=Y\)が示されるので、逆行列は一意的であることがわかる。

逆行列と逆写像
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🔗行列は線形写像の表現行列とみなすことができるので、逆行列も線形写像に対応する。

そして、行列の積は線形写像の合成に対応するので、正則行列\(A\)に対応する線形写像が\(f\)とすると、 逆行列\(A^{-1}\)に対応する線形写像\(g\)が存在して、

\(id\)を恒等写像として $$ g \circ f = id \\ f \circ g = id $$ の関係にあることがわかる。

つまり\(f^{-1}=g\)である。

逆写像\(f^{-1}\)が定義されるのは\(f\)が全単射のときのみである。

編集後記
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正則行列であることの条件と解釈辺りをいつか整理したいと思う。

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