メインコンテンツへスキップ

整列原理(Well-Ordering Principle)

··780 文字·2 分·
数学 帰納法 整列原理
著者
a
目次

簡単に教えろ
#

一つ以上の自然数の集まりを考えると必ず最小の数が存在する。

例えば $$ \{10, \space 432534, \space 8, \space 42, \space 1, \space 99999999, \space 1 \} $$ という自然数の集まりを考えると、\(1\)がその中の最小のものである。

直感的にはまあ当たり前の話だ。

整列原理(Well-Ordering Principle)
#

任意の空でない\(\natnums\)(自然数全体の集合)の部分集合\(S\)は最小元をもつというのが整列原理の主張だ。

紛らわしいので記号でも書いておく $$ S \subset \natnums \land S \neq \empty $$ であれば\(S\)は最小元をもつ。

大した違いはないがここでは\(0 \in \natnums\)であるとする。

証明
#

\(0 \in S\)であれば\(0\)は最小の自然数であり、\(\natnums\)の最小元なので\(S\)は最小元をもつ。

\(0 \leqq k \leqq n \land k \in S\)のとき\(S\)が最小元をもつと仮定する。

そのとき\(0 \leqq k \leqq n +1 \land k \in S\)であれば\(S\)が最小元をもつことを示す。

\(S\)が\(n+1\)未満の元を持たなければ、\(n+1\)が最小元である。

それ以外の場合は、\(S \neq \empty\)なので仮定より主張が成立する。

補足
#

帰納法が分かりにくかったので帰納の具体例を書いておく。

\(0 \leqq k \leqq 0 \land k \in S\)ならば\(S\)は最小元\(0\)をもつ。

つぎに\(0 \leqq k \leqq 1 \land k \in S\)の場合を考える。
\(0 \in S\)であれば\(0\)が\(S\)の最小元である。
\(0 \notin S\)であれば\(1\)が\(S\)の最小元である。

つぎに\(0 \leqq k \leqq 2 \land k \in S\)の場合を考える。
\(S\)が\(2\)未満の元を持たない場合、\(2\)が\(S\)の最小元である。
その他の場合、先程のステップで\(S\)が最小元を持つことが示されている。

これを繰り返せば\(S\)が空でなければ最小元をもちそうなことがわかる。

感想
#

重要らしいが自分のレベルが低いのでよくわからなかった。

Related

商ベクトル空間に関する同値類の性質
·214 文字·1 分
数学 線形代数 商ベクトル空間 同値類 ベクトル空間
引っかかったので
零行列、零変換、零変換の表現行列
··1397 文字·3 分
数学 線形代数 零行列 零変換 表現行列
行列の計算で行列を列ベクトルや行ベクトルの集まりとみなして計算して本当に良いのか?
··1591 文字·4 分
数学 線形代数 行列