⧉ ねずみトラップ
ねずみが罠に掛かる様子を撮影した動画。
かつて、一時は動画プラットフォームを侵食する流行となったが、プラットフォームの自主規制という名の意向により表舞台から消し去られた。
特に電流を用いたトラップは、ねずみの痙攣的な反応が視聴者の探究心をくすぐり、高い人気を誇った。
好奇心、あるいは純粋な嫌悪から始まったはずの視聴は、いつしか、トラップ成功時のカタルシスや、内に持つ自己の倫理的な一線を踏み越える背徳感を求め始める。
動画制作者と視聴者は互いの内面に潜む加虐性を鏡のように映し出し、際限なくコンテンツをエスカレートさせた。
我々は無意識のうちにその映像に引き寄せられ、隠れた内面を抉り出された。
トラップされていたのは他ならぬ我々自身だった。